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最も一般的なPPC広告の問題6つとその解決方法

PPCの現状

Ashwin Balakrishnan

Ashwin Balakrishnan

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シニアマーケティングマネージャー

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Optmyzr

PPC広告のエキスパートであっても、検索広告の世界に足を踏み入れたばかりでも、よくあるPPC広告の課題に一度は直面したことがあるでしょう。

それでもなお、何十万もの企業がオンライン広告を活用してリーチと収益を拡大しています。80%のマーケターが広告予算の一部以上を検索広告に割り当てていることからも、PPC広告の重要性は明らかです。

PPC広告はバランスの取れたマーケティング戦略に不可欠ですが、戦略が不十分だと大きな問題を招くこともあります。低品質なトラフィックからクリック詐欺まで、多くの課題がPPCの成果に悪影響を及ぼします。

それでは、PPC広告が20年以上も存在しているにもかかわらず、なぜ一部の企業はいまだに苦戦しているのでしょうか?なぜ利益を生み出すPPCの普遍的なガイドが存在しないのでしょう?なぜ一部のマーケターはいまだに広告費から十分なリターンを得られていないのでしょうか?

本ガイドでは、検索広告の基本と、よくあるPPC広告の課題6つとその解決策について解説します。

PPC広告とは?

ペイ・パー・クリック(PPC)は、広告がクリックされるたびに広告主が料金を支払うオンライン広告モデルです。広告は、同じトラフィックを狙う他の広告主とブラインドオークションで競い合い、広告の掲載順位やクリック単価は、主に入札額をはじめとする複数の要素によって決まります。

ユーザーがターゲットキーワードに一致または関連する内容を検索すると、オークションで勝利した広告が検索エンジンの検索結果ページ(SERP)の上部または下部に「広告」タグ付きで表示されます。

企業はPPC広告を活用してランディングページへのトラフィックを増やし、ブランド認知度を高め、購買意欲のあるユーザーに自社商品やサービスを販売します。主要なプラットフォームは幅広いターゲティングと深い分析機能を提供しており、ブランドとプラットフォームの両方を理解した広告主が、オーディエンスのニーズに最適化されたハイパーコンテクストな広告を作成できます。

PPC広告は、ユーザーがまさに探しているタイミングで企業がその前に立つことを可能にします。従来の広告では実現できない高度なターゲティングにより、PPCは極めてパーソナライズされた広告手法です。

PPC広告の種類

多くのPPC広告は検索エンジンの検索結果ページに表示されますが、メール受信箱や動画配信サービスにも表示されるものがあります。プラットフォームを問わず、代表的なPPC広告の種類は以下の3つです。

テキスト広告

テキスト広告はその名の通り、コピーライターが作成したテキストのみで構成され、ビジュアル要素はありません。ユーザーの検索が広告キャンペーン内の特定キーワードと一致したときに表示されます。

テキスト広告にはバリエーションがあり、異なる広告文を素早くテストできるレスポンシブ検索広告、より詳細な情報を盛り込める拡張テキスト広告、さらにパーソナライズされた動的検索広告などがあります。

ディスプレイ広告

ディスプレイ広告は一般的にバナー広告とも呼ばれ、ビジュアル重視の広告タイプです。テキストとビジュアルを組み合わせることで、単なる合計以上の効果を生み出します。

ディスプレイ広告では、商品やサービスのプレビューを見せることで、検索広告では難しい興味喚起が可能です。ただし、ディスプレイ広告の掲載場所の管理は、検索広告のターゲティングよりもはるかに難易度が高い点に注意が必要です。

ショッピング広告

ショッピング広告は、ユーザーが特定の商品や商品カテゴリを検索した際に表示されることが一般的です。商品画像、価格や仕様、配送情報、購入可能なECサイトへのリンクが含まれます。

ユーザーが広告をクリックするとランディングページに遷移し、クリックごとに広告プラットフォームへ料金が発生します(購入に至るかどうかは問いません)。

よくあるPPC広告の課題7選とその解決策

勝てるPPC広告キャンペーンの構築には、キーワードリサーチから広告グループの設計、意図に合致したランディングページの作成まで多くの要素が関わります。これを正しく行うインセンティブも十分にあります。

検索エンジンは、ターゲットユーザーに関連性の高い広告を出す広告主を優遇します。たとえば、品質スコアが高ければ、入札単価を抑えつつ掲載順位を上げることができます。

それでも、検索広告について多くが解明されているにもかかわらず、多くの企業や広告主が最適化プロセスで課題の特定に苦労しています。十分な専門知識や経験がない場合でも、このガイドで紹介する6つのよくあるPPC課題とその解決策が役立ちます。

課題1:インプレッション数が少ない

最もよくあるPPC広告の課題の一つが、広告や広告グループが十分に表示されていないことです。これはインプレッションシェアという指標で測定されます。

PPCキャンペーンを実施する際は、最低でも1つの広告グループに1つ以上の広告、1つ以上のキーワードが必要です。選択したキーワードのマッチタイプによっては、入札額が十分であれば多くの検索で広告が表示される可能性があります。

インプレッションシェアは、広告が表示された回数を、表示される可能性があった回数で割った割合です。

なぜインプレッションシェアを失うのか?

主な原因は以下の通りです。

  1. 予算が理想より少ない
  2. 広告ランクが十分に高くない
  3. 入札額が足りない

解決策

PPC広告の最適化を行う際、まず確認すべき指標の一つがインプレッション数です(広告が見られなければクリックもコンバージョンも得られません)。インプレッションシェアが低すぎる場合は、以下のステップで改善しましょう。

1. 予算を増やす

キャンペーンの予算が少なすぎると、高い広告ランクを獲得するための入札が難しくなります。予算が尽きると(すぐに尽きます)、競合他社の広告が検索結果を独占します。ただし、予算を高く設定しすぎると資金が急速に消耗するため、さまざまな入札額と予算でバランスを見つけましょう。

2. 入札額を調整する

入札はPPC最適化で最も重要な領域の一つですが、決して単純ではありません。時間帯、ユーザーの所在地、デバイスなど、さまざまなパラメータに応じて予算を増減できます。成果が出ていないパラメータには高めの入札を、成果が出ている部分は維持または減額しましょう。

3. キーワードのマッチタイプを見直す

キーワードのマッチタイプによって広告の表示機会が大きく変わります。たとえば、ブロードマッチは類似検索にも広告を表示できるため、機会が広がります。異なるマッチタイプを試す際は、クリック率やコンバージョン率を必ず確認しましょう。インプレッションシェアが増えても、実際に価値があるかどうかを見極めることが重要です。

課題2:キーワードが多すぎる

ビジネスに関連するすべてのキーワードを追加したくなるかもしれません。トラフィックが増えれば、理論上はコンバージョンも早く・高くなるはずです。

これはPPC初心者が陥りがちなミスであり、多くの新任アカウントマネージャーがすぐに卒業するポイントです。

広告や広告グループを構築する際は、購買プロセスの異なる段階にいるユーザーに合わせることが重要です。たとえば、時計のキャンペーンなら、調査を始めたばかりの人、選択肢を比較している人、特定の商品やブランドを探している人向けに広告グループを分けます。

キーワードの詰め込みは、このセグメンテーションを壊し、あらゆる検索意図のトラフィックをすべての広告に流してしまいます。結果として関連性が失われます。

すべてのキーワードを1つの広告グループに追加すると、ある検索をしたユーザーが別の広告を見てしまい、Googleからも関連性が低いと評価されます。これはアカウント構造が弱い証拠であり、最終的には広告費用対効果(ROAS)や全体の収益性の低下につながります。

では、キーワードはいくつまでが適切か?

1広告グループあたり20個以下に抑えるのが理想です。これによりトラフィックや意図の分散を防げるだけでなく、ターゲットとするキーワードやフレーズを厳選する力も養われます。

解決策

1. 除外キーワードを追加する

除外キーワードを設定すると、特定の検索語句で広告が表示されなくなります。たとえば、冷蔵商品を扱っていないスーパーの広告なら、「牛乳」や「炭酸飲料」などの検索を除外します。

どのキーワードを除外するかは、広告クリックにつながった検索語句を調査して決めましょう。コンバージョン率が低いのにクリック数が多い語句や、コストがかかる割にボリュームが少なく成果が出ない語句は除外候補です。

2. キーワードのマッチタイプを理解する

検索エンジンは複数のマッチ方法を提供していますが、Googleの主な3種類を紹介します。

エグザクトマッチ(完全一致)は、キーワードと検索語句が順序も含めて完全に一致した場合に広告が表示されます。ただし、検索意図を変えない追加語句が含まれる場合も表示されます。

ブロードマッチはGoogleのデフォルト設定で、類義語やスペルミスも含めて関連語句に広告を表示します。ファネル上部のトラフィックを増やすのに有効ですが、継続的なモニタリングが必要です。

フレーズマッチは、キーワードが検索語句の中にそのまま含まれている場合に広告が表示されます。新しい検索意図にも対応できるため、成果を見ながら最適化しましょう。

「homes in seattle」というキーワードで、各マッチタイプで広告が表示される検索例は以下の通りです。

エグザクトマッチ:「homes in seattle」「best homes in seattle」

ブロードマッチ:「seattle apartments」「home repairs seatac」

フレーズマッチ:「vacation homes in seattle」「luxury homes in seattle for rent」

課題3:アカウント構造が不十分

Google広告は、アカウントに明確な構造がないと期待通りのパフォーマンスを発揮しません。キャンペーンから広告まで、アカウントのすべての階層が品質スコアや効果的なセグメント化に影響します。

PPC広告キャンペーンの命名や構造においては、各要素の役割を思い出せるような整理システムが不可欠です。これにより、アカウントに関わる全員が内容を把握しやすくなり、問題発生時も原因特定にかかる時間を短縮できます。

新規アカウントを引き継いだ代理店で再構築が必要な場合は、将来を見据えた設定方法を解説したUnLevelバーチャルカンファレンスの動画をおすすめします。

解決策

1. キャンペーンの目的を設定する

本格的に取り組む前に、各キャンペーンの目的を明確にしましょう。認知度向上、売上増加、リード獲得など、目的によってKPIや最適化手法も変わります。

2. 提供価値ごとに広告グループを分割する

ターゲットオーディエンスへの提供価値ごとに広告グループを分けましょう。たとえば、スーパーの乳製品キャンペーンなら、牛乳・チーズ・ヨーグルトの広告グループを作り、取り扱いのない商品は除外します。

3. 検索意図に合わせて広告グループを設計する

各広告グループは、ユーザーが「なぜ」その検索をしているのかという意図に基づいてターゲティングします。選択肢を探しているのか、ブランドや商品を比較しているのか、レビューを探しているのか、購入を検討しているのかを見極めましょう。

ナビゲーショナル意図はファネル上部で、まだ調査段階を示します。インフォメーショナル意図は比較・検討段階、トランザクショナル意図は購入が近いことを示します。

検索語句レポートを活用して意図をセグメント化しましょう。「buy」や「for sale」などはトランザクショナル意図、「brand x vs. brand y」「brand x reviews」などの比較検索はインフォメーショナル意図のサインです。

4. 広告構造をテストする

予算を本格投入する前に、必ずキャンペーン構造をテストしましょう。テスト期間を設けることで、高コストな検索語句の除外やメッセージの洗練、さらには自動入札を活用する場合はプラットフォーム側の学習にも役立ちます。

新規アカウントの構築や既存アカウントの再構築に役立つその他のポイント:

  • キャンペーン・広告グループの命名規則を決める
  • キーワードを広告グループの意図や目的で分割する
  • オーディエンスを広告グループの意図に合わせてセグメント化する
  • 各広告グループに最適なランディングページを設定する

課題4:受動的な入札管理

Googleによれば、検索広告はブランド認知度を最大80%向上させる効果があります。また、Smart Bidding機能は、入札管理の細かな調整に時間をかけたくない新規広告主にとって便利な選択肢です。

しかし、Smart Biddingの利便性に頼りきると、PPCパフォーマンスが大きく低下するリスクがあります。

PPCキャンペーンは、最先端の自動化を活用していても、定期的なモニタリングと最適化が不可欠です。適切なタイミングで適切なユーザーにリーチし続けるためには、手間を惜しんではいけません。

PPCは「セットして放置」できるものではありません。以下の理由から、このアプローチは通用しません。

  1. 競争がすでに激しい
  2. 新規参入の競合が常に現れる
  3. Google Adsは常に進化している
  4. 検索行動はわずかな変化にも影響を受けやすい

解決策

新規・成長中のPPC広告主にとって最善の方法は、地道に取り組むことです。手動入札管理の仕組みを学び、積極的に運用しましょう。この経験が、アカウントに何が有効で何が無駄かを見極める力になります。

そのうえでSmart Biddingを活用すれば、はるかに効果的です。Smart Biddingはアカウントの過去データと数百万のユーザーシグナルを考慮するため、数か月分の手動コンバージョン実績があれば、Googleが最適な入札判断を迅速に学習できます。

Smart Biddingは、手動入札で1か月に30件以上のコンバージョンが必要です。自動化に頼る前に、まずは手動で「機械に油を差す」ことが重要です。

1. パターンを分析する

コンバージョンデータを確認し、共通点を深掘りしましょう。最も多くのコンバージョンが発生する時間帯や地域、デバイス、オーディエンスの種類は?これらの答えが、収益性の高い入札設定のヒントになります。

2. 思い切った調整を行う

安全策ばかりでは、広告運用の世界で大きな成果は得られません。たとえば、ベビーシッターサービスのコンバージョンの75%が週末の午前中と夏に集中しているなら、その時間帯に全力投球するのも一つの戦略です。

マーケティング戦略の基本は「すべての人に向けるのではなく、ニッチを狙う」こと。PPCも同様です。

3. 品質スコアを向上させる

Googleは、業界やオーディエンスの平均よりも関連性の高い広告を作成する広告主を優遇します。キャンペーンのあらゆる品質要素が、10点満点の品質スコアに反映されます。

オークションで他社より品質スコアが高ければ、クリック単価を抑えつつ高い広告ランクを獲得できます。これにより、予算を抑えながら成果を最大化できます。

弊社創業者Frederick Vallaeysは、Google在籍時にGoogle Adsの品質スコアの開発に携わりました。

2024年も品質スコアが重要な理由はこちら

課題5:検索意図のミスマッチ

これまでにも広告グループ設計における検索意図の重要性を述べてきましたが、ユーザーの検索意図と広告内容が合致しないミスは、特に注意すべき重大な問題です。

キャンペーン設定時にすべて正しい手順を踏んでいても、広告がオーディエンスとつながらなければ成果は期待できません。

たとえば、新しいランニングシューズの広告を出したいとします。「ジョギングシューズ」「ランニングシューズ」「ジムシューズ」など、健康や運動に関心のある人をターゲットにするかもしれません。

しかし、ここにはさらに深い層があります。

「ランニングシューズ」は非常に幅広い検索で、ユーザーの意図がはっきりしませんが、「ランニングシューズ 通販」や「ベストランニングシューズ 2021」などは、ユーザーが意図サイクルのどこにいるか(ナビゲーショナル・インフォメーショナル・トランザクショナル)を示しています。

これにより、「全米どこでも翌日配送可能」と訴求する広告を誰に見せるか、「快適さやフィット感」を訴求する広告を誰に見せるかを判断できます。

解決策

検索エンジンは、過去の検索行動や現在のトレンド、意図のシグナルなど複数の要素に基づいてターゲットオーディエンスに広告を配信します。検索の「なぜ」と「何」を一致させるためのアイデアは以下の通りです。

  • メッセージのバリエーションをA/Bテストする
  • 小規模なテストで、どの検索語句が広告をトリガーするか確認する
  • 同音異義語に注意する(「close」=近い、「close」=閉じる)
  • 意図の違いに注意する(「blog」=サイト、「blog」=記事)
  • 「buy」「on sale」など、ユーザーの心理状態を示すキーワードを探す

課題6:間違ったKPIに注目している

すでに一定のブランド認知がある場合、PPC広告はユーザーをコンバージョンに導き、プレゼンスを拡大する強力な手段です。SEOのようなオーガニック施策は成果が出るまで数か月かかることもあります。

広告主がよく犯すミスの一つが、間違った指標でキャンペーンの成功を早まって判断してしまうことです。

実際、広告アカウントには多くのパフォーマンス指標があるため、ビジネスゴールを明確に把握していないと、ブランドやクライアントにとって本当に意味のある成果かどうか判断が難しくなります。

間違ったKPIに注目する罠を避ける方法を紹介します。

解決策

PPCキャンペーンの成果を正しく測るには、各指標を個別に評価するのではなく、企業のビジネスゴールの文脈で結果を見ることが重要です。

  • クリック数やCTRが高いのは、露出や認知度向上が目的の場合は良いですが、売上獲得が目的の場合は不十分です。
  • コンバージョン数やクリック数が多くても、CTRが低ければ、より多くの機会を逃している可能性があります。
  • ROASが高く見えても、広告費が商品の利益率を考慮していなければ、実際には損失が出ていることもあります。

最も優れた広告主は、PPCの成果を顧客獲得コスト(CAC)の削減やライフタイムバリュー(LTV)の向上など、より大きな目標の文脈で評価します。

また、地域によってコンバージョンの価値が異なるなど、他にも考慮すべきニュアンスがあります。

PPCを最大限に活用するには、マーケティングエコシステムの一部として捉え、単独の施策と考えないことが重要です。クライアントと定期的にコミュニケーションを取り、あなたの施策が彼らの大きな目標に貢献しているか確認しましょう。

まとめ

PPCは海のように広く深い分野であり、どれだけ長く取り組んでも常に新しい発見があります。

しかし、オンライン広告初心者にとっては、アカウント構造の設計、ターゲットキーワードの選定、成果の評価など、どこに理想的な境界線があるのか判断が難しいものです。

さらに、クライアントがPPCを「広告を見せれば売れる自動販売機」と誤解している場合は、なおさら難易度が上がります。

幸いなことに、道のりをよりスムーズにするためのリソースは数多く存在します。たとえば、当社のブログや、専門家にリアルタイムで質問できる PPC Town Hall ウェブキャストなどがあります。

また、ご質問は @Optmyzr へツイートまたはDMでお送りいただくことも可能です。弊社チームのメンバーが回答、もしくは回答が見つかる場所をご案内いたします。

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